終わりなき夏 永遠なる音律

■絵は良いが共通ルートの長さが致命的

なんで普通の田舎学園モノにしなかったの?
登場人物が主人公の態度にイライラしてるだけじゃなくてプレイヤー側もイライラしてますけど?
バカなの?



作品情報:2009年 φâge(ファイアージュ
音楽:普通
絵:良い

シナリオと総評悪い

だいたいのゲームではシナリオの流れに共通ルートというものがある。(R18美少女ゲームのお話)
共通ルートで問題を提示して個別ルートでそのキャラの問題を解決するといった流れが主。
しかし、この作品は共通ルートで全ヒロインの問題をある程度解決しちゃって、そのあと個別でもまだダラダラと長ったらしいモノが続くといった具合で、マウスを思わずブン投げたくなるほどうんざりする残念な作りになっていたのである。
こういう形式は初めてだったので最初は新鮮に思えたが、やはり長すぎるのはダメだと感じた。学園モノでただでさえだれる要素を抱えているというのにこんなものをプラスされるともうどうすりゃいいんだよ。

文章自体はソフトで読みやすくキャラ同士のやり取りや日常はそこそこに面白いのだが、問題解決は個別ルートでやった方がやはりいい。個別に入って問題解決→廃校式演奏成功→イチャイチャでも成立しただろうに例の作品とリンクさせてるか何だか知らないけどそれのせいで余計長くなってるし、後半の主人公はえろげお得意の鈍感野郎すぎてストレスがマッハ。いい加減にしろ。

逆に救いと言えばいいのか、絵・音楽・その他は悪くない。

立ち絵は後述の理由と相まり、コロコロと表情が変わるので見ていて飽きないし何より可愛い。
CGもさほどバラつきがなく安定している、枚数が多い、といった点がある。
あとは、乳袋が許せるかどうかくらいなものだが、そこはどうしても個々の好みで評価が分かれるだろう。

シナリオとは関係無いが、立ち絵(キャラ)がかなり動くのもこのゲームの特徴。
目と口だけがちょこちょこ動く中途半端なゲームよりかは、これくらい動いた方が納得はできるし、個人的にもこれはアリだ。
UIもいい具合だしそういう細部がちゃんとしてるのは凄く良い。

題材もキャラもなかなか良いだけに、シナリオ諸々の問題点が凄く浮かび上がって見えてしまう。
なんとも惜しい作品だ・・・。


 

パティシエなにゃんこ


■良い意味でも悪い意味でもほんわかとした雰囲気を持つ

絵がロリ体系な感じで苦手だし純愛とかだるいわみたいに思ってた。
正直すいませんでした。面白かったです。



作品情報:2003年 ぱじゃまソフト
音楽:良い
絵:良い

シナリオと総評良い

タイトルや絵・音楽からもわかるように内容もほんわか甘々な雰囲気を持つ作品。
そしてどの要素にもある種の「可愛さ」を感じさせるよう作られている。
こういった統一感を持たせるところは個人的に好印象。
あれもこれもと中途半端に詰め込まず、シンプルで分かり易い。

シナリオの方だが、実は少しよろしくない。
というのも、純粋なほんわか作品ならではの主人公の鈍感さが目立つといった部分が少なからずあるからだ。
どいつもこいつもだけど、ぎゃるげの主人公達はもっと「人を好きになった」事に気付いてもいいのではないか。
その上で対象を意識したり、もっと知ろうとしたり、こちら側からアプローチをかけるようになるのが人間だろうし、恋愛は付き合う前のお互いがどぎまぎしている時期が一番楽しいと私は思う。
明らかなアプローチを相手からされているのに相手の気持ちに微塵も気付かないような奴が相手の気持ちを上手く考えられるとは思えない。
いやこれゲームだし。で割り切れる部分もあるんだろうが、人をしっかりと思う気持ちと受け取る気持ちを表現しないで何が純愛だよとも言いたくなるわけです。

と、まぁぼろくそに言ってるが、それでもまったりゆるゆるな雰囲気で進行している割に文章がさくっと読める魅力はあったりする
キャラクターが巧いこと描かれてるおかげで会話やイベントは安定して見れる。その上、長引かせずにいい具合にまとめて終わるのでしつこさも感じない。
「ガーン」やら「バシッ」やらのチープな効果音も、上記の流れがあるおかげでしっかり活きている。
こういったシナリオの配分やキャラがしっかり立っている要素があるおかげで、並な日常系統のゲームで必ず起きる「だるい」といった感情が沸きにくい内容になっているのだと思う。(沸くっちゃ沸くが)
矢口茉理姉小路冬華の会話だけでも是非見てほしい。

欠点は、やはり冒頭ら辺でも少し記載したが、個別ルートに入った時の主人公関係でのモチベーションダウン。
あと、起床イベントがずっとあったのは微妙。しつこさを感じた。


全体的にテキストが楽しく読めて純愛謳ってるだけあってまったりとプレイできるのがいい。
癒されたいといった気持ちがあれば十分楽しめる作品。


 

残暑お見舞い申し上げます。


■2キャラだけやれば終わっていい


ライターによってキャラやシナリオにかなりの相違が発生しておりもう作品別にしろよと言いたくなった。


作品情報:2008年 めろめろキュート
音楽:普通
絵:秀逸

シナリオと総評良いけど悪い(後述)

結論から言うと、もったいない。

プレイをしていると気付くのだが、ルートごとによって相違点が多々ある
それが少しのズレならまだ納得もできたのだろうが、これがもうキャラの言動やテキストの勢いさえ違うもんだから、プレイヤー側からするとどうなんだこれは?と首をかしげる内容になってしまっているのだ。

シナリオの流れとしては、共通ルートと個別ルートの2つから成るもはやおなじみの構成で作られたゲーム。
そして共通ルートから感じることだが、テキストがとても読みやすい。というか単純に面白い。
あっさりしつつも思わず「ふっ」と笑ってしまう日常描写、ヒロインの絶妙な貞操レベル、主人公の性格、その他諸々の要素が巧く混ざり合って、なんだかよく分からない変な勢いでプレイヤーを納得させ、楽しませてくれる魅力がある。

これが個別ルートでも続けばそれこそ良作だったのだが、実はそうではないのがこのゲームの欠点だ。

この魅力を感じる事ができるルートは共通と一部のキャラだけで、その他のルートは本当に無難な田舎学園モノ
今まで良い勢いだったキャラクター達は型にはまったような普通レベルに収まり、テキストも比例して普通へ。
どうしてもランクダウンが否めない。

良い印象のまま終えるのであれば、思い切って一部のキャラだけ攻略して終わるというのも手かもしれない

絵については、これがなかなか、クオリティが高い。
立ち絵に至っては完璧と言ってもいいレベルなキャラクターが数人いる。
こういったゲームでの大事な要素の一つが上質なのは評価できる点だ。

もしプレイはするけど楽しんで終わりたいというのならば、壬生→華奈→終了 の流れでプレイすることをおススメする。
特に華奈は第一線で戦えるほど秀逸なキャラクターだと個人的には思うのです。