恋愛0キロメートル



作品情報:2011年 ASa project


Win2000で動作確認。


はじめに:
ノーマルな日常学園モノという括りでいえば結構高い水準を維持していると思われる
テキスト自体は軽めで、学園モノという舞台設定のため平凡さは否めないのと、下やメタ系の発言もややあるが、基本的には姉妹や兄弟たちとのくだらないやり取りや日常を散りばめて展開させるスタイルで、疑似家族空間を巧く演出している。
個別ルートごとにもそういった日常系のイベントや掛け合いがひとつひとつ用意されており、終盤でも他のメインキャラが急に描写されないといったこともあまりなく、最後の最後まで楽しめる感じ。
恋愛描写においてもテキストのわりに丁寧に描かれており、付き合うわやったねみんなハッピーおめでとうといった適当感はなく、しっかり失恋させたり周りの状況を良い方向に変化させたりと巧い。
キャラ設定や雰囲気の作りがしっかりしているからそのへんの破綻があんまりなくて、単純にプレイしてて楽しい。



音楽:B+
結構よさげなのが多いが、やっぱ使いどころが上手くない。
共通のちょっとシリアスな部分や大切な台詞部分でもずーっとキャラテーマ曲流してるだけとかあってそのへんの雰囲気作りよかったら相当評価あがったと思う。



絵:A-
だいぶ可愛いけどやはり1枚絵の違和感率は高め。
エロシーンのCGは千切っては投げの配分でなんだこれすごいな。
あと巨乳キャラの制服立ち絵が・・・砲丸かボーリングの玉に見える。
それとSDキャラのCGが絵本みたいな絵柄で、まぁ全然可愛いんだけど作品とマッチしてるかといわれると「別に」といった具合でもある。



シナリオ:A-
擬似家族空間の雰囲気作りと、姉妹同士兄弟同士の関係を垣間見えるちょっとした日常イベントの豊富さのおかげでプレイしてて楽しい
「えろげーの恋愛」におけるすれ違い描写や照れ描写もあまりクドいこと長引かせずに解決するのでイライラもほぼ無いし、何より他キャラも絡ませて付き合った後の、家族を取り巻く環境の処理をおざなりにしていないのも好印象。(咲耶や実咲の失恋描写とかもいい)
テンプレを若干崩している作りのキャラ達のおかげで平凡さが薄れているのがいいと思う。素直じゃない暴力幼馴染の布団嗅ぎまくり描写とか、全体的にコメディなピンク髪とか、完璧お姉さんが汚部屋とか。そういったある種欠点みたいなものを用意してるおかげで逆に好感が持てる。
共通・個別共にちょくちょく笑えるテキストが続くし、ノーマルな学園モノでこのクオリティはだいぶ良いほうだと思う。



システム:B+
よく見てないからわからんがなんか前作の使いまわしてるような…。



総評:A-
テキストも軽めで泣きゲーではないものの日常・恋愛の描写は結構丁寧に作られており、キャラクターも活き活きしている。擬似家族空間や騒いでる雰囲気が伝わる微笑ましい作品。
ただ共通はやや一本道気味なのでリピートは飽きるかも。
初見プレイであれば総合的に水準高めな学園日常ゲー。



-分かり易いまとめ-
絵       ★★★★☆☆ キャラ・背景ともにいいが若干の破綻
シナリオ    ★★★★☆☆ 
音楽      ★★★☆☆☆ 
個人的お勧め度 ★★★★★☆ 
システム    ★★★★☆☆ 
使用度     ★★★★☆☆ 
総合評価    ★★★★★☆ 日常マニアにぜひ